「Brave」に込めた想い
「Brave」を制作していた時期は、ちょうど新型コロナウイルスが流行りはじめた頃でした。
今でこそ、この状況と向き合って生きていこうと思えますが、当時は、突然発生した未知の脅威に対して、漠然とした不安を感じていました。
それは、僕だけでなく、皆さんも同じだったと思います。
皆さんの不安な気持ちを、音楽で勇気づけたい。
そんな想いを胸に制作したのが「Brave」です。
人は困難にぶつかった時、たくさん悩み、苦しみ、迷いながら、困難を乗り越えようとしますよね。その時に、たくさんの覚悟と決断をしていると思います。
自分の気持ちに向き合って、正直になることで、困難を乗り越え、前に進んでいけるのではないでしょうか。
困難を乗り越えるのも、未来を作るのも、自分次第。「Brave」を聴いて、誰もが持つ心に秘めた闘志を燃やしてほしい。
皆さんが「Brave」を練習する時も、そんな気持ちで弾いてくれたら嬉しいです。
「Brave」の制作秘話・収録エピソード
「Brave」は、ある程度テーマは決まっていましたが、ほとんど即興で制作を進めていきました。
事前にあまり作り込みすぎずに、その時に感じていることや思っていることを曲で表現したかったので、即興っぽい感じで収録をした方が気持ちがのるかな、と思ったのです。
あとは、事前の打ち合わせで、即興でメロディーを考えながら弾いていたら、スタッフの方に、「こーじゅんさん、永遠にアドリブでメロディーが出てくるんですか?」と聞かれ、つい「はい、出てきますよ!」と答えてしまったのも影響しているかもしれません(笑)
制作を進めている間は、自分自身が勇気を持って曲を作ろう、と思いながら取り組んでいました。
収録スタイルはかなり特殊でした。僕を含め4人で収録をしたのですが、それぞれ別の部屋に入って、セッションのような形で同時に収録を進めたんです。
制作の方針やスケジュール、感染対策など、いろいろな要因が重なりそうなったのですが、これが苦労しました。
ヘッドフォンからクリック音が2小節分流れたら、収録がはじまるのですが、最初は僕のメロディーだけなんですよね。自分の音で全てが決まると思うと、緊張して仕方なかったです。
僕が演奏を始めたらクリック音も無くなってしまうので、あとはヘッドフォンから流れるお互いの音を頼りにしながら演奏を進めていくしかありません。
伴奏の人たちと呼吸をあわせたり、目線を合わせたりもできないので、お互いを信じるしかない、という気持ちでなんとか乗り切りました。
スタジオ収録が人生ではじめてだったので、後になって、今回の収録スタイルが特殊だということを知りました(笑)
貴重な経験をさせてもらったなと思っています。
収録中に一番大変だったのは、アドリブのソロパート。ソロはテクニカルなポイントを凝縮しているので、最初から最後まで一切気を抜く暇がありませんでした。
テーマのひとつである、困難に立ち向かっていく強さを表現できるソロがなかなかできあがらず、あらゆるパターンで収録を繰り返しました。こう、グッとくるというか、バチっと決まるソロが浮かばなくて。
最終的に選ばれたソロは、収録した中でも一番良いソロだなと思っています。
収録そのものは順調でしたが、とにかくものすごい緊張感の中、制作を進めていました。取材のカメラも入っていましたし。
若手アーティストが人生初めてのライブなのに、東京ドームでやっているみたいな気分でした。その日の記憶はほとんどないです。
今「Brave」を聴くと、まだまだ磨けるなと思うポイントがたくさんありますが、当時は、持てる技術を全て出し切って作り上げました。
もともとリードギターは苦手で、本来は、伴奏が主体で、そこからメロディーやパーカッシブな音が聴こえるような演奏が得意でした。
けれど、リードギターをやったことは、ある意味、自分の苦手なことに挑戦する、勇気を持って困難に立ち向かうことになり、それが結果的に「Brave」という曲を生み出せたと今では思っています。
思い返すと、現場の環境や雰囲気、自分のコンディションなど、全てにおいて逆境に立たされた中での制作だったように感じます。
でも、それが「Brave」を完成させるのにぴったりの状況、環境で、それらに立ち向かっていくんだと思いながら収録したことで、満足のいく曲を作ることができたのかもしれません。
報道ステーション・テーマ曲「Brave(こーじゅん)」の解説と弾き方の15ステップ
レッスン動画では、「Brave」の曲を場面ごとに細かく切りわけて、どのように弾いているのか、どう練習したらいいかを解説しています。順番通りに動画をみると、「Brave」の最初から最後までの流れを学べるので、飛ばし飛ばしではなく、ていねいに一つひとつやっていきましょう。
かなりゆっくりのテンポで弾きながら、僕がどうやって弾いているか、弾く時に気をつけるポイントや弾けるようになるコツなどを、じっくりお話ししています。
このゆっくり弾いている姿をみてもらうことが、とても大切だと思っています。ゆっくり動く僕の指の動きや配置をよくみて、真似をしてください。
運指についても緻密に考えて作っています。この指で押さえてしまうと、次のフレーズが弾けなくなるので、こっちの指で押さえてください、ということもレッスン動画で伝えていますので、まずはその通りにやってみましょう。
「Brave」のレッスン動画に関しては、できるようになったら次のレッスン動画へ進む、というやり方で取り組んでほしいです。「Brave」の曲構成には、僕なりのストーリーがあるので、順番通りに弾きながら、曲構成の工夫やおもしろさなども感じてもらえると嬉しいです。
ちなみに、一番最初の動画でも伝えていますが、「Brave」をやるために必要な条件が3つあります。
- 半音下げチューニングにする
- 12フレット以降が弾ける、カッタウェイを使用する(カッタウェイ以外では、絶対に弾けないフレーズが出てくる)
- 伴奏がありきのフレーズになっている(伴奏に合わせて弾くリードギターの曲なので、伴奏がないと地味な感じになる)
ギターのコンディションやメンテナンスも大切です。弦高が調節できていないギターだと、良い音を出しにくいだけでなく、難しいコードを抑えるときに、かなり力が必要になってしまいます。
3つの必要な条件や、ギターのコンディションを調整した状態で、「Brave」の練習をはじめてみてくださいね。
報道ステーション・テーマ曲「Brave(こーじゅん)」の解説と弾き方の15ステップを練習する時のコツ
「Brave」を練習する際は、自分がギターを弾いている時の録音や録画をして、自分の音を客観的に聴くようにしましょう。
僕がゆっくり弾いている音と、自分がゆっくり弾いた音を聴き比べながら、弾けるようになっているかどうかチェックしてみてください。
かなりゴールまで遠く感じるかもしれませんが、上達する一番の近道はコツコツやること。毎日少しずつでもいいので、練習を続けましょう。
フレーズの中には、僕自身の身体能力でカバーしている運指もあります。そのため、おそらく指が届かない運指も出てくると思います。
そういったフレーズは無理をしないで、自分ができそうなやり方で練習してみてください。怪我や無理はしないようにしてくださいね。
まとめ
どんなフレーズでも、すごくゆっくりていねいにやれば弾けないものはない、と僕は思っています。
練習していて、弾けてないなと少しでも思ったら、弾く速度を落としてください。それを地道に繰り返していく、という考え方さえ身につければ、皆さんに弾けないものはありません!
早く「Brave」を弾けるようになりたい気持ちはとてもわかります。ですが、焦って練習を雑にしてはいけません。それでは一生上達することはないです。
ていねいな練習を繰り返すことの重要性は、僕も常に思っていますので、一緒に頑張りましょう。
皆さんが「Brave」を弾けるようになったら、僕が伴奏を弾きますので、一緒にセッションしましょう!
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